連について
阿波踊りは基本的に「連」と呼ばれるグループで行進する形の踊りです。
街頭や演舞場で隊列を組み流し踊りをしたり、路上で円を描いて踊ったりしています。
また、場合によってはステージの上でさまざまな演出を加えて「見せて楽しむ」踊りを
することもあります。
連の構成
阿波踊りの連は、「踊り子」と「鳴り物(またはお囃子)」から構成されています。
踊りには男踊りと女踊りがあり、男踊りの服装と女踊りの服装は全く違います。
男踊りでは、ハッピを着たり浴衣の裾を腰までまくりあげて着たりしています。また、頭には鉢巻を巻いたり、手ぬぐいで頬かむりをしたりします。足には足袋を履いて踊ります。
女踊りでは、足首まである長い丈の浴衣を身にまとい、頭には目線が隠れるほどに深く編み笠を被ります。足には足袋の上から高い下駄を履き、つま先を地面につけるように踊ります。
ちなみに、基本的に男性が男踊りを踊り、女性が女踊りを踊りますが、女性が男踊りを踊ることもよくあります。女性がハッピ姿で男踊りを踊る様子もとてもカッコよいものです。逆に、男性が女踊りをすることはありません。
鳴り物は「笛」「鉦」「締太鼓」「大太鼓」「鼓」「三味線」などで構成され(連によっては三味線や鼓がないこともあります)、鉦や太鼓の打楽器がリズムを担当し、二拍子のリズムにのって笛と三味線がメロディーを奏でます。
連の先頭には提灯持ちが連の名前を染め抜いた提灯を持ち、踊り子・鳴り物の
順番で隊列を組んで踊ります。
連の種類
有名連
「徳島市阿波踊り振興協会」、「徳島県阿波踊り協会」に所属し、年間を通じて様々な場所で阿波踊りを披露してくれる連です。
有名連は日々練習されているだけあって、踊りの美しさと隊列のバリエーションは見ごたえ十分です。初めて阿波踊りを見物するなら、有名連を中心に見物することをおすすめします。
企業連
徳島県内外の企業が中心となって作る連です。徳島そごう連や大塚製薬連、ジャストシステム連など、徳島県内の有名な企業の中には毎年のように阿波踊りに参加している企業もあります。
徳島県外の企業の場合は、徳島県出身者が中心となって連を作り参加しているパターンが多いようです。
また、会社のアピールやイメージアップの目的もあり、有名タレントをゲストに招いて一緒に踊る企業も多く、阿波踊りに花を添えてくれます。
学生連
主に大学・専門学校が学校単位で連をつくり阿波踊りに参加します。徳島県外の大学からの参加は案外多く、東京方面の国立・私立大学からの参加も目立ちます。
ただし、阿波踊りのレベルはかなりバラバラで、どちらかといえば「踊る阿呆」として参加している傾向が高いので、阿波踊りを見物したい観光客にとってはあまりおすすめできないと思います。もちろん、選抜阿波踊り大会に出場するような大学はきちんと練習されていて、見ごたえのある阿波踊りを見せてくれるので、一概には言えませんから注意してくださいね。
にわか連
阿波踊りを踊ったことがない人や、連に所属していない人が集まってつくる連です。
「阿波踊りを踊ってみる」でも紹介していますが、
有名連のサポートのもと、踊り方を教えてもらってから演舞場で踊ることができるので
観光客のみなさんには大好評です。せっかく徳島まで足を運んだのなら、見物するだけでなく踊ってみてくださいね。